2011/05/20

『自邸プロジェクト』

自邸

かねてより計画していた自邸プロジェクトがいよいよ着工する。
事務所、そして自宅として計画した建築は、まずは土地探しから始まった。




相反する要望

事務所を構える場所としては都会の繁華街、一方住宅として住むには落ち着いた静かな環境がよい。まずは要望を並べた。
要望を並べると、事務所と住宅、都会と郊外、繁華街と住宅街など、一見相反するものであったが、そのどちらも諦めることなく両方を享受できることを望んでいた。両方の性質を2項対比的に考えるなら(仮に白と黒とすると)、白と黒両方で ‘ グレー ’ と考えがちだが、そうではない。 ‘ 白も黒も ’ である。




建ち方

建築とは住まい手だけのものではない。建築された建物は周りに少なからず影響を与えてしまうことから、その周辺地域のものでもある。それならば、自分だけが幸せを得られる建築ではなく、周りにも幸せを提供できる建築であるべきであろう。しかしこのさじ加減は実は難しい。提供という言葉も少々押し付けがましいかもしれない。もっとささやかなものがよい。
例えばこどもの日に、自分の子供のために、こいのぼりを掲げる。家族で楽しんでいることが、実はそれを見た近所の人も楽しんでいる。こんなふうに住み手の幸せがほんの少し漏れ出て、それによって周囲の人々もほんの少し幸せになる。
これはどのようにデザインできるだろうか。そしてこれはどのような佇まいの建築であろうか。




自邸プロジェクト、完成までを備忘録を兼ねて記録していきたい。