2011/08/30

『1階ファサード型枠脱型』

1階ファサード型枠脱型


コンクリート打設の数日後現場に赴くと、1階ファサード部分の型枠が脱型されていた。
ファサードの型枠を脱型したところ。

まだファサードの1面だけの脱型だが、コンクリートは綺麗に打設されていた。ファサードのコンクリートは特別気を使っていた箇所だけに、施工者も打設計画から打設時のバイブレーターやたたきを入念に行っていただいていたので、綺麗に仕上がっていた。よかった。


よしよし。
















さらによく眺めていくと、、、、んん?


左側は綺麗にPコン跡があるが、右側は、、、

Pコン抜け発見。。

よくよく調べてもらうと、これはPコンが少し奥に埋まった状態になってしまったそうだ。この部分、コンクリートの強度が十分に出てから、Pコンの上に被ったコンクリートを綺麗に取り除き、対応するとのこと。
躯体=仕上げとなると、なかなか気が抜けないものだ。

2011/08/27

『打設翌日』

打設翌日

打設翌日、大雨の影響も気になって現場に赴いた。やはりコンクリート表面は雨に打たれていた。雨の力おそるべし、、、
雨に打たれたコンクリート表面


それにしても打設翌日のコンクリート表面は暖かい。明らかに発熱していることがわかり、
水和熱が発生していることが体感できる。





プール

先にも書いたが、2階にある浴室のあるゾーンは、他よりスラブレベルが下がっている。やはり昨日の大雨でプールができていた。記念に泳ぐかな(笑)。それになかなか面白いので設計変更して大浴場に変えるか(笑)。いやいや。
手前がレベルの低いスラブ。雨水がはっていた。奥は2FL+320の一段高いレベル。
商店街と反対側、仮囲いの向こうには隣接する木造2階建ての住宅が見える。


この水は後日ポンプアップで排水する。今は屋根もない状態なので、上棟まで急ぎたいものだ。

※工事は予定より少し遅れています。年内には竣工予定です。

2011/08/26

『1階壁・2階床_コンクリート打設』

1階壁・2階床 コンクリート打設


打設日和。コンクリート打設がはじまった。

型枠が完成し、区役所の中間検査合格の決済を受け、いよいよ朝から1階壁と2階床のコンクリート打設が開始された。前回の基礎打設時と同様、コンクリートミキサー車とポンプ車が到着。同時に打設要員として総勢十数名が集まった。
主な要員は、
・監督員 :作業指示を行う
・打込要員 :ポンプ車からのホースを操りコンクリート圧送を行う
・振動機要員 :バイブレーター作業を行う
・突固め要員 :突き、たたき固め(型枠をたたき、生コンを型枠隅々に充填させる)を行う
・左官工 :打設後のスラブ天端均しを行う、
・合番 :型枠工や設備業者など、間接施工業者が立会い、打設のサポートを行う
・警備員 :ミキサー車の誘導や交通整理等を行う
の面々である。

今回の打設では2階のスラブ段差やコンクリート打放しのファサードなど気を使う箇所が多々あり、どういう順序で打設するかが難しいところであった。結果的にうまく打設できたかは、型枠を解体するまではわからない。






雷雨

打設は予定より早く完了した。現場を後にして数時間後、突如雷雨が発生。東京には大雨洪水警報も発令された。

打設したコンクリートは大丈夫だろうか。構造家に電話で相談。打設を完了していれば、比重の違いなどから基本的に雨水とコンクリートは混ざり合わず、強度に問題はないとのこと。ただし表面のコンクリートが固まる前なので、コテで仕上げたスラブ表面を、雨で傷めてしまうようだ。(最終的にはフローリング等で床は仕上げがなされる為、表に見えてくるものではないので問題ないだろう。)

コンクリートは、水和反応によって強度を発現していくのだが、水和熱による急激な温度上昇や水分蒸発はコンクリートの強度を低下させてしまう。夏季など急激に水が蒸発すると水和反応に必要な水がなくなってしまうため、散水養生を行うこともある。水和熱を抑えるためにも打設後の降雨は自然の散水養生になり、以外に好都合でもある。(しかしもう少し時間を置いてから、かつ柔らかい雨だとよかったのだが、、、。)

あと心配は浴室のある、スラブが他より下がっている箇所。まるで大浴場のような形状である。ここは豪雨によってプールになりそうだ。。

2011/08/21

『打設について』

打設について


次のコンクリート打設は、1階壁と2階床を打設するが、今回の計画建物の2階はスラブ段差がある。こういった場合、どのように打設するのか。いくつかの方法があろうが、今回はレベルの高い位置まで一気に1日で打設する。夏季はコンクリートの硬化が早く、生コン打設中にもどんどん固まっていくわけだが、流れとしてはレベルの低いところまでをまず打設、その後残りのレベルの高いところまでを打設する流れになる。施工中もどんどん硬化が進むため、打設計画は綿密に検討する必要がある。





さて、レベル差があると立上り部分の型枠は浮いた状態になるので、一般に「浮き型枠」と言っている。
その他コンクリートに埋設される特徴的な部品を記しておく。
「スペーサー」は鉄筋のかぶり厚さを確保するための部品。鉄筋がコンクリートの中に規定寸法以上被るためのガイドになる。鉄筋のかぶりは鉄筋が外気に露出して腐食することを防ぎ、また耐火の意味も含め、建築の性能・寿命に大きく影響することから極めて重要な要素といえる。
「スラブ引き」はスラブと壁の取り合い部分の、型枠を固定するための部品。

2011/08/10

『中間検査』

2階へ

1階、住宅の玄関をあけるといきなり階段。
階段を見上げると上階への期待が高まる。

2階の床型枠が施工されると、2階床鉄筋配筋がはじまる。北沢プロジェクトは1階が事務所、2,3階が住宅になるが、2階には居室のほか、トイレ、洗面、浴室など水周りが並ぶ。水周りの設備配管や防水の納まりと、1階事務所に複数の天井高さをつくるという意図から、2階床のスラブ段差は複雑になっている。
2階への階段は比較的急勾配で幅の狭い階段で上っていく。一般的な住宅計画のセオリーでは、玄関は広く、階段は緩勾配で、となるが、ここではセオリーはない。これはシークエンスのための一種の演出としてこのような計画としている。






中間検査

本日、世田谷区役所の中間検査が行われた。
建築を建てるには、建築前に建築確認申請を、そして工事完了後に完了検査を受ける必要がある。合格して始めて建築を使用することができる訳だが、これ以外に規模や用途によっては工事中に中間検査を受ける必要がある。当然中間検査が合格してはじめて、次の工程に進むことが許される。
今物件は中間検査対象物件で、「2階床及びこれを支持する梁に鉄筋を配筋する工事」時にこの法定検査を受けることになっている。
世田谷区建築審査課から意匠、構造の担当者が現場に来られ、検査が行われた。意匠関係は建物の位置、階高を中心に、構造関係は鉄筋の配筋を中心に検査が行われた。
意匠検査
構造検査

2011/08/02

『1階壁・2階床_型枠建込』

1階壁 返し型枠、2階床 型枠の建込


1階壁の鉄筋配筋が終わり、設計検査を終えると未成の型枠=インテリア側の壁型枠(返し型枠)を建込んで壁の型枠が完成する。
返し型枠 施工中。
アーチ部分の型枠部材。










今回は1階壁と2階床のコンクリートを同時に打設する計画であるため、2階床の型枠も施工する。これらが施工されると、正確に内部空間が体感される。

建築家は空間のスケール感を自在に操るために日々トレーニングしているが、それでもスケール感覚に誤差が生じるものだ。この誤差をできるだけ無くす為に、私の場合はパース(スケッチ)や模型をかなりの量制作し、検討することにしている。スケッチは人の目線での空間の見え方を描き、模型は1/50、1/30の全体模型を制作して覗き込む。また部分模型としては1/1での検討も多々行う。こうしておくと実際に立ち上がってくる建築と頭の中のイメージの誤差はほとんどない。こういった設計時の労力は惜しまず手を動かすことが大切だろう。






パイプサポート

2階の床の型枠が組みあがると、後のコンクリート打設後のRCスラブ荷重を支えるためのパイプサポート(鉄管の支柱)が立てられる。
パイプサポート建込中。