2011/12/27

『防水工事_FRP防水』

防水工事 FRP防水


現場に赴くと、浴室の防水工事が進められていた。浴室の仕上げは床はタイル貼、壁はFRP防水仕上げとしているが、壁のFRP防水は床下までぐるりとまわされ防水層を形成している。
FRP防水とは、FRP(繊維強化プラスチック)を補強材に、液状樹脂で一体化させた塗膜防水で、強靭な防水層を形成するものだ。



FRPを敷き、その上からローラーで硬化剤を混入したポリエステル樹脂をすり込んでいく。





『防水工事_アスファルト防水』

防水工事 アスファルト防水


今計画の屋上(屋根)の防水はアスファルト防水としている。アスファルト防水施工の前に、まずはスラブに勾配をつくるところからはじめられる。コンクリート打設時にはスラブは水平に打たれるが、雨水排水のためドレイン(雨水排水口)に向けてモルタルで緩やかに勾配をつくっていく。



それができるとアスファルト防水工事に進んでいく。まずはコンクリートスラブ、それに壁の立上り部分にアスファルトプライマーを塗布して下地をつくる。それを終えると溶融アスファルトでアスファルトルーフィングをコンクリートスラブに貼り込んでいく。
プライマー塗布後。

手前のロールがアスファルトルーフィング、奥に溶融釜が見える。

アスファルト防水工事終了。

2011/12/22

『木工事_フローリング床下地』

木工事 フローリング床下地



フローリング仕上げの床は、まず壁際四周に際根太を設置、コンクリートスラブ上には等間隔に支持材(プラ束)を並べレベルを出す。その上に断熱材を裏打ちしたベースパネルを敷設し、さらに捨貼り材(合板)を敷いて下地が完成する。
木材を加工している大工さん。際根太の施工中。

ベースパネルと捨貼り材。

捨貼りを終えた床。この上にフローリングが貼られる。
なおこの床はキッチンカウンターが設置される場所。墨出しされている。

『木工事_乾式壁・天井』

木工事 乾式壁・天井


内装は木工事がスタートしている。
木工事の主な箇所は、乾式壁やアーチ状天井、フローリング床、それに家具などだ。今回の計画はほとんどコンクリート打放し仕上げだが、部分的に仕上げを変えている。特に2階は水廻りなども絡み、またプライベート性を高めるためにも、平面は細かく分節され、それに合わせて仕上げも違えている。
2階ホールから郊外側をみる。
細かく空間が分節され奥行きをつくる。

大工職人の作業は見ているだけで飽きない。こうやってつくっていくのか、としばし見つめてしまう。(職人さんとしては迷惑だろうが、、、)
アーチ状の天井が部分的に出てくるが、ここは木で下地を組んだ上に曲げ合板で天井をつくっていく。

アーチ状の天井を張るための下地づくり。


2011/12/19

『躯体補修』

型枠、支保工の撤去


型枠脱型後、型枠や支保工の材料が撤去され、一気に空間が広がった。ある意味最もピュアな空間の状態かもしれない。
3階郊外側をみる。開口部には養生シートが張られている。
屋上。



躯体補修


コンクリート躯体に施工不良箇所を散見したが、現在補修作業に取り掛かっている。
コンクリート打設の主な施工不良を下記に記す。

・コールドジョイント:先に打ち込まれたコンクリートと後に打たれたコンクリートの境にできる継目。
・ジャンカ:コンクリートが密実に打てずに空隙ができて硬化する状態。
・型枠ずれ:綺麗な平面にならずに型枠がずれたもの。各階ごとの打ち継ぎ部分に出やすい。
・ひび割れ:沈み亀裂や乾燥収縮など要因はあるが、不明なものもある。
・型枠パンク:型枠がパンクしてコンクリートが溢れる状態。

これらは意匠上の問題もあるが、怖いのは構造上の欠陥になることだ。これらの不良箇所があった場合、構造設計者や施工者とも綿密に相談し、対処方法を決定する必要がある。
今回は上記の不良が一通り存在し、補修の規模も大きなものになってしまった。しかし幸い構造上大きな欠陥となる箇所はなかった。
主な補修方法としては、1)不良箇所をはつり取り、2)無収縮モルタルを埋めて、3)仕上げを行う。
コンクリート打放し仕上げとなる部分の補修は、専門の打放し補修業者がいて、コンクリートの柄のように模様を描いて仕上げていく。


上の写真は、家具で隠れる壁に作ってもらった補修サンプル。正面の壁、上側はモルタルのみの仕上げで、塗装仕上げの下地になる。下側はモルタルの上にコンクリート打放し補修を行ったもの。2社にサンプルをお願いし、これから1社に絞る。

2011/12/10

『左官補修』

左官補修


10日、現場見学会を開催中も工事は進められている。現在の現場状況としては、型枠の脱型がほぼ終わり、この日左官職人が現場に入っていた。コンクリートの施工不良箇所の是正(階ごとの打継ぎズレの補修等)や、浴室床の防水下地の施工、また壁面の塗装仕上げ面の地均し等を行っていた。

※今回はカメラマンの山辺章史さんからご提供頂いた写真をUPしています。



『現場見学会_その2』

現場見学会


10日に開催した見学会の様子。現場は工事中であったが、現場見学のほか、設計主旨などの簡単なレクチャーを行った。

※今回は山辺さんからご提供頂いた写真をUPしています。







『現場見学会_その1』

現場見学会



10日、私の教えている大学(京都造形芸術大学)の学生や友人を招いての現場見学会を行った。
私自身現場経験は決して豊富なわけではなく、日々現場に出て学ぶことも多い。そもそも建築現場は仮囲いに囲まれ、関係者以外には中は伺い知れないブラックボックスだ。普段見ることの出来ない現場をひとつの教材として皆と共有し、何か学びになれば嬉しいものだ。
また今回はプロカメラマンで一線でご活躍されている山辺章史さんが現場にお越し頂き、写真を撮影して下さった。

※今回は山辺さんからご提供頂いた写真をUPしています。








2011/12/06

『現場事務所』

現場事務所


躯体工事は、コンクリート打設が終わり、後は型枠の脱型と支保工の解体を待つばかりとなった。下階(1~3階)は型枠脱型、支保工払いもほぼ終え、サッシの取り付けも進んでいる。内部空間が確保され(とはいえまだガラスが嵌っていないため外気ではあるが)、仮設の現場事務所が出来ていた。これからの現場定例は安定して会議を行うことが出来る。
そして現場はいよいよ内装工事へと進むことになる。

2011/12/03

『R階壁_コンクリート打設』

R階壁 コンクリート打設


大震災の影響等により、遅れに遅れていた屋上階のコンクリート打設がやっと行われた。
陸屋根の屋上は一般的に屋根とパラペット、それに塔屋という構成になる場合が多いが、今計画も同様の構成である。しかしこの建築は屋上が居室―天井のないリビング―のように計画されているため、立ち上がるパラペットは目線を超え、周囲の視界を遮り空を切り取る。また壁の立上りだけでなく、階段やベンチなどのほか、防水やトップライトの取合いなども絡むため、かなり気を使って型枠が組まれた。




打設はこれまで同様、コンクリートミキサー車から供給される生コンをポンプ車で屋上まで送り、ホースで型枠内に流し込む。同時にバイブレーターとたたきによって、型枠内に確実にコンクリートを流し込んでいく。



仕上がりを気遣っての作業は暗くなるまで続き、打設は無事終了した。




本日をもってひとまず上棟し、躯体工事は終了となる。待ち焦がれたこの日をやっと迎えることができた。

2011/11/22

『進捗』

進捗


その後、工事の滞りが解消されない。大震災の影響で型枠大工が慢性的に不足し、手配出来ない状態と工務店より説明を受け、工事は予想以上に遅れ続けている。でも、がんばろう。




現場定例


現場1階に仮設の会議スペースを設け、関係業者が集まっての会議が進められている。内装は質素だが、難しい工事も幾つかあるため、綿密な打合せを行う必要がある。
型枠合板で仮設のテーブルに。

2011/11/09

『R階壁_立上り壁配筋検査』

R階壁 立上り壁配筋検査


夕刻、屋上階最後の立上り壁の配筋検査が行われた。
屋上は小さな塔屋とルーフテラスという構成だが、外周壁面が目線より上に立ち上がっているため、コートハウス的プライベートな中庭空間、または室内的な外部空間のようになる。1階~3階までの外部環境と連続的に存在する空間とは対照的に、周辺環境から切り離され、唯一空と接続される空間は、下階とは異なる居住体験のひとつを提供するだろう。

2011/11/08

『1、2階 型枠脱型』

1、2階 型枠脱型

本日現場に赴くと、1階と2階の型枠が脱型されていた。
一気に空間が広くなったように感じられる瞬間。
1階。奥の間から商店街側をみる。

2011/10/29

『3階壁・R階床 コンクリート打設』

3階壁・R階床 コンクリート打設


本日、3階壁とR階床のコンクリート打設が行われた。

前回までは普段着で立会いをしていたが、今回はレインコートにヘルメットの完全防備で打設に望んだ。監理以外、工事に関しては何も役には立てないが、木槌が余っていたのでたたきを手伝うことにした。
たたきのための木槌。
打設時、上からは生コンを流すと同時にバイブレーター(振動機)をかけるが、下では木槌で型枠をたたく作業が行われている。型枠をたたくことで、生コンを型枠内に隅々まで充填させることができる。
たたきの風景。






型枠パンク


木槌で型枠のたたきを行っていた頃、隣の間で騒ぎが起きた。
階段の上型枠に空けてある穴(生コンが充填しているか確認するためのもの)から生コンが一気に噴出してきたのだ。急ぎパイプサポートで押えて止まったが、どうやら穴が大きすぎたのが原因の様子。ほっとしたのも束の間、またしても隣の間で騒ぎが起きた。
次は南側開口部の下部型枠がパンクして生コンが溢れ出てきた。型枠の固定箇所が足りなかったのが主な原因だが、一度打設をはじめると止められない。応急処置をして一旦対処した。この部分については改めて記したい。
パンク箇所の対処中の職人さん。

しかし今回の打設は出来事が多く、どっと疲れてしまった。

2011/10/26

『R階床_配筋検査』

R階床 配筋検査


本日R階(屋上)床の鉄筋配筋検査が行われた。
設計監理者の検査ののち、世田谷区役所の検査を受ける。区役所からは今回も幾つかの指摘を受け、後日写真提出で対応とすることとした。

配筋検査。
しかし屋上までくると、いよいよ建築の完成が見えてくる。1階から3階までの各階の空間感、それに屋上からの眺望、こういったものが具体的に体験できるようになる。
ただしこれから屋上の壁、それに塔屋のコンクリ打設をもってコンクリート工事の終了となるため、上棟まではもう少しの辛抱だ。





電気設備工事


検査に先立って、3階天井の電気設備の施工が行われていた。
引掛けシーリングの配線工事中。


天井に取り付く電気設備としては照明と住宅用火災警報器だ。照明は今計画ではダウンライトとペンダント照明用の引掛けシーリングのための配線工事で、火報器は電池式のため配線はない。

上が天井掘込設置の火報器のもの、
下が引掛けシーリング用の配線。

コンクリート打放し天井にダウンライト製品を取り付けることは難しいため、天井に円筒形の掘り込みをつくり、そこにE17口金のソケットと電球を直接取り付けることにした。

天井ダウンライト用のパーツ。
Φ90のボイド管を天井に仕込む。


2011/10/18

『3階壁_返し型枠建込』

進捗


少し工事に遅れが出ている。最終的な竣工に遅れが生じないことを祈るばかりだ。
しかしこんな小さなひとつの建築でも、とても多くの人が関わっている。当然関わった全ての人の都合に仕上がりや工期が影響されるわけだが、それにしても彼ら一人一人の労力の結晶として建築が出来上がるこの過程こそ、建築をつくる職業に携わる喜びや感動を味わう瞬間のひとつでもある。

夕刻の北沢。3階より郊外側を眺める。
現場定例会議を終えた頃、すっかり太陽は傾いていた。3階から郊外側をみると美しい夕景が広がっていた。




3階壁 返し型枠建込


現在、現場では3階壁の返し枠を建て込み中だ。壁の型枠ができることで、明確に空間体験ができる。下階に比べおおらかな分節の3階。

3階。型枠大工による返し枠の建込中。




2階


2階はまだ型枠の脱型がされていない。一部、3階と繋がる間があるため、3階とまとめての脱型となるのだろうか。
2階の奥の間は資材が撤去され本来の空間感が体感された。隣の建物に隣接するロケーションだが、隣地境界からの後退距離をとっているため、視界はこもるが明るい空間になっている。視界の遮られる空間は3階とは対比的で、これも心地よい。

2階。奥の間は視界はこもるが明るい空間。




1階


1階はこれまで規定期間存置されていたパイプサポートが解体されていた。これによって一気に空間が広くなったように感じられた。
1階。商店街側から奥を見る。
アーチによって分節された空間が、リズミカルに奥行きをつくる。





2011/10/13

お知らせ

お知らせ

(仮称)北沢プロジェクト新築工事は、現在3階の躯体工事を進めています。当初10月中旬の竣工を目指していましたが、諸事情により遅れが生じました。改めて工程を組みなおし、12月上旬の竣工に向け工事を進めています。

オープンハウスのお知らせなど、改めてこのブログでも告知いたします。


2011/10/11

『3階壁_立上り壁配筋検査』

3階壁 立上り壁配筋検査


3階の壁の配筋検査が本日行われた。
これまでと検査内容は同様だが、3階の空間構成はかなりシンプルなため、目視しやすく検査しやすい状態だ。完成後はおおらかな構成と視界の抜けも手伝って、伸びやかな空間になることを期待している。
商店街側から住宅街側をみる。





打設後のコンクリート表面のクラック


前回打設した2階壁の打継ぎ天端に大きなクラック(ひび割れ)ができていた。原因は分からないが、おそらく乾燥収縮によるものだろう。

壁の打継ぎ天端にかなり大きなクラックができていた。
クラックの大きい部分は、不良部分をVカットして大きめに はつり取り、モルタル埋めの対応をお願いした。
クラックをVカットした状態。